3月初旬に重粒子線科の最初の診察予約が入っていますが、それに先立ちホルモン治療を開始します。
私の場合は高リスクがんのため2年間のホルモン治療を併用することになっており、ホルモン治療開始後数か月して、がん細胞が少し弱ったところで(医学的に正しい表現かわかりませんが)重粒子線の照射を受けることになります。
ホルモン治療とは
ホルモン治療はX病院ではなく、連携しているクリニックで受けることになっています。
注射と飲み薬の併用となり、飲み薬を飲み始めて2週間程度経ってから注射を開始し、注射を開始した日が2年間の治療期間の始点になるということです。
クリニックでもらった製薬会社のガイドブックによると、
- 前立腺がんの発生と進行には、男性ホルモン(アンドロゲン)が深くかかわっている
- 男性ホルモンの分泌によりがん細胞が増殖する
- 男性ホルモンの約95%が精巣(睾丸)で作られ、残りの約5%が副腎で作られる
- 注射(薬品名:リュープリン)はLH-RHアゴニストという薬剤になり、精巣で作られる男性ホルモンを抑える働きがある
- 飲み薬(薬品名:ビカルタミド)は抗アンドロゲン剤という薬剤で副腎で作られる男性ホルモンを抑える効果がある。正確には副腎で男性ホルモンが作られるのを抑えるのではなく、がん細胞側の男性ホルモンの受容体をブロックして男性ホルモンががん細胞に結合するのを抑えるというはたらきをする
つまりはLH-RHアゴニストと抗アンドロゲン剤の併用で精巣と副腎で作られる両方の男性ホルモンの影響を抑えるということで、CAB(combined androgen blockade)療法と呼ばれています。
飲み薬(ビタルカミド)開始
2020年2月中旬 ホルモン治療開始
前述のとおり、飲み薬(ビカルタミド)を毎日一錠を朝食後に飲み始め、2週間程度たってから注射を開始します。
ホルモン治療の副作用についての説明資料をもらいました。
- ホットフラッシュ(更年期の女性に生じるほてりと同様のもの)
- 性欲減退・勃起力低下
- 乳房の女性化(胸が大きくなるということですね)
- 骨粗しょう症
- 肝臓機能の低下
- 皮下脂肪。内臓脂肪の増加(メタボになるということですね)
骨密度の低下やメタボリックシンドロームになる傾向があるので、カルシウムを取りバランスの良い食事をすること、適度な運動(ウォーキングで1日8000歩以上)を行うことが推奨されています。
このころクルーズ船での新型コロナの感染がニュースになり、国内でも初めて死亡者がでました。
順調に治療が進められるのかという不安がよぎってきます。
リュープリン注射開始
2020年2月下旬
注射を開始するためクリニック受診します。
まず採尿して診察を待ちます。
診察ではまず尿検査の結果、潜血等の異常はないとの説明がありました。
飲み薬を開始して特に変わったことはないか確認されて診察は終わりです。
この時点では副作用らしい体調の変化は感じていませんでした。
その後、採血と注射で呼ばれます。
注射はお腹のおへそ付近にうつもので、効果が1か月、3か月、半年続くタイプがあるようですが、当初は1か月用を打って、様子を見ながら長いものに変えていくということです。
血液検査の結果は翌日には分かり、このクリニックではオンライン診療を導入しているので、来院せずにオンラインで結果を聞くことができます。
数日後にオンライン診察の予約を入れて結果を聞くことにしました。
人間ドックの再検査でPSAが8.7だった時からおよそ5か月半ぶりのPSA検査になりますが、2週間のビカルタミドの効果が既に出ているのか、今回は5.76に下がっていました。
その他肝機能などの数値も正常でした。
そして、このころには新型コロナウイルスの感染防止のため、小中学校の臨時休校が要請される事態となっています。
副作用が出始める
2020年3月下旬
注射開始から1か月経ち、2回目の注射を受けるためクリニックを受診しました。
前回同様、採尿⇒診察⇒採血・注射という流れです。
注射開始から1か月で性機能はかなり減退していて、何とか射精できる程度、精液の量も少なくなっています。
個人差はあるものの、副作用は今後徐々に出てくるだろうということです。
尿検査は正常です。
注射についてはこのまま体調等に変化なければ、次回からは3か月用にできるだろうということでした。
3か月用の注射というのは、注射器の大きさが3倍になるのか看護師さんに聞いたところ大きさは1か月用と変わらないと笑われました。
採血の結果はPSAは1.08と、前回よりさらに下がっていました。
新型コロナ感染拡大の影響はさらに大きくなっており、東京オリンピックの延期が決まり、志村けんさんが新型コロナ感染により死亡のニュースが国内を震撼させていたことになります。
クリニックでは受付で検温と手指消毒は求められますが、診察は通常通り受けることができています。
※本ブログは医学の専門家ではない一患者の治療記録です。可能な限り正確な情報を記載するよう努めていますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。当サイトをご利用することで発生したトラブルに関しては一切の責任を負いかねますのでご了承ください。