X病院放射線科の説明を聞く
重粒子線治療専門のセカンドオピニオン外来クリニックでセカンドオピニオンを受けた後、X病院の放射線科でも話を聞きました。
診察室に入ると人当たりの良い医師が、本来は治療方法を決めた後に正式に用いる説明同意書を用いて丁寧に説明してくれました。
説明同意書は10ページ程度の書類で、私の病期診断結果から始まり、重粒子線治療の説明、治療の流れ、効果、有害反応、他の治療方法、セカンドオピニオンなどについて書かれています。
泌尿器科では病期診断結果さえ書面ではくれなかったんですがねえ。
手術を選択すれば同じような説明同意書をもらえるのかもしれませんが、やはり治療法選択前にこういう内容は説明してほしいですね。
泌尿器科の説明では手術の方が若干治療成績が上回るという説明だったことを告げ、確認すると重粒子線の治療成績については概ね手術と同様であるということで、セカンドオピニオンとも同じ説明です。
割合は少ないとはいえ二次発がんの可能性はあるので、年齢が若い場合はまずは手術を勧める方針ということでした。
重粒子線治療に決定
この放射線科受診がダメ押しとなって重粒子線医療を選択する意思が固まりました。
泌尿器科の医師からは放射線科受診後に結果を聞かせてくれと言われており、診察の予約が入っていたので、同じ日に泌尿器科を受診して重粒子線を選択したいと伝えました。
患者の意思が決まってしまえばあとは機械的に手続きを進めるということなのか、直ぐに改めて治療開始のための放射線科の予約をとってくれました。
ホルモン療法との併用になるので、そちらは連携するクリニックで治療を開始するよう案内をもらいました。
連携クリニックの医師がちょうど週1日非常勤でX病院で診察している日だったので、そちらの医師の診察も受けてその日からホルモン治療の飲み薬を処方してもらいました。
ホルモン治療は注射と飲み薬を併用するもので、飲み薬を2週間ほど飲んでから注射を打つという手順になるということです。
なぜ重粒子線治療を選んだか
手術ではなく重粒子線治療を選んだ理由を整理してみると、
治療成績について手術と概ね同等と判断した
以前の記事にも書きましたが、選択可能な治療法を同じ条件で比較したデータはなさそうです。
なぜそう判断したのか客観的なデータを示せといわれても困るのですが、色々調べたり話を聞いた結果、総合的にそういう考えに至ったというところです。
性機能が維持できる可能性がある
手術では神経温存はできないとはっきり言われました。重粒子線の場合も神経は傷つけることになりますし、ホルモン治療の副作用でも性機能障害がありますが、治療後に回復の望みはいくらかあるというところですね。
泌尿器科の担当医と信頼関係が築けなかった
ん~、やっぱりこれは大きいでしょうか。
決して悪い医師ということはないのでしょうが、詳しい説明がしてもらえない、聞ける雰囲気にない、結果として不信感が募るということになりました。
医師の変更を要望するなり、別の病院に転院するなりのやり方もあったとは思いますが、そこまでして手術を検討する必要性も感じませんでした。
どちらかというと重粒子線治療の合併症の方がましだと思った
これは究極の選択ですね。
手術後の尿漏れは重い場合だとQOLが大きく低下するでしょうし、一方で重粒子線の二次発がんも怖いですね。
どちらも発生割合は低いとはいえ、それはマクロのデータの話で、結局一人の患者にとってはなるかならないかのどちらかなわけで、そう考えると割合は半々とも言えます。
なお、トリモダリティについては、一時は真剣にセカンドオピニオンを受けようと思い病院を探しましたが、実施している病院が少なく長く待たされるような情報がありましたし、やはり実施している病院が少ないということはそれなりにハードルがあるのかなと。
泌尿器科と放射線科が連携して治療にあたるわけですが、自分の仕事上の経験から言っても異なる部署が協力してことを運ぶというのは結構大変ですよね。
あえてトリモダリティで再検討するという必要性までは感じなかったということでしょうか。
治療法選択までの経緯を振り返る
治療法決定までの流れをざっと振り返ると、
2019年6月初旬:人間ドックの結果PSA=8.7で再検査うけるようにとの所見
2019年9月初旬:PSA再検査⇒PSA=8.7⇒X病院への紹介状を書いてもらう
2019年10月初旬:X病院受診
2019年11月初旬:生検前MRI検査
2019年11月中旬:生検
2019年12月初旬:前立腺がん確定診断
2019年12月中旬:転移診断(CT、骨シンチグラフィー)
2020年1月初旬:転移診断(追加MRI)
2020年2月初旬:セカンドオピニオン(重粒子線専門クリニック)
2020年2月中旬:放射線科で重粒子線治療の説明を聞く⇒治療法決定
ということで、人間ドックのPSA検査からおよそ8.5カ月、がんの確定診断から2.5か月で治療法の決定に至りました。
確定診断から2.5か月というとそんなに長いとは思わないかもしれませんが、当事者にとっては非常に長く感じる2.5か月でした。
いや~、治療法が決まってやっと晴れ晴れした気分になりました。
しかしこの時、既に新型コロナ感染拡大の足音が迫ってきていたのでした...
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