治療法選択のポイント
X病院泌尿器科の医師の説明と自分で色々調べた結果を整理すると、今のところ治療法選択の上での主なポイントは以下の3点です。
- 泌尿器科の医師の説明では、重粒子線治療に比べ手術の方が治療成績が良い
⇒本当か? - 泌尿器科の医師の説明では、重粒子線治療の晩期有害事象(二次発がん含む)が5%程度ある
⇒本当か? - 高リスク限局がんに対する治療法としては、手術と外照射治療の他、トリモダリティ(小線源+X線照射+ホルモン)という治療法があり、患者の間では人気がありそう
⇒他の治療法より有効か?
これらの疑問点を解消するにはやはりセカンドオピニオンを聞くのが良いのかなあということで調べ始めました。
どの病院でセカンドオピニオンを受けるか
手術と重粒子線とトリモダリティの全ての治療実績がある病院があれば一番良いわけで、インターネットで検索すると病院のデータベースがありましたが、これが全く使い物にならない。
掲載されている情報が古すぎて、今通っている病院の情報もロボット手術も重粒子線もやっていないことになってるじゃないですか。
この記事を書いている時点で調べてみるとその時と同じデータベースが見つからず、既に削除されてしまったのかも知れません。
いずれにしても使えそうなデータベースはなかったので、対応している病院が少なそうなトリモダリティの方から検索してみました。
通院できる圏内の病院をいくつか見つけましたが、重粒子線とトリモダリティの両方に対応した病院はなさそうです。
もっとも全ての治療法に対応している病院があったとしても、手術は泌尿器科、放射線治療は放射線科ということだと思うと結局総合的な判断を相談できる医師というのは存在するのかという疑問がでてきます。
こんな時こそとX病院の「がん相談支援センター」に相談してみました。
どの病院がどのような治療に対応していてどのくらいの治療実績があるのか、直ぐに教えてくれるのかと思いきや、あなたがネット検索している以上の情報はこちらでも分かりませんというがっかりな答えでした。
結局自分で調べるしかないということです。
追加MRI検査の結果、重粒子線治療も選択できるようになる
そうこうしている内に骨転移が疑われる肩の部分のMRI検査の結果が出て、結局転移は認められず重粒子線治療も受けられるということになりました。
医師に放射線科の話も聞いて判断したいと伝えると、原則は放射線治療を選択してからでないと放射線科の診察は受けられないのだが、放射線治療に興味があるという理由で予約を取りましょう、という良くわからない説明で予約をしてくれました。
ただし、予約が取れたのはおよそ1ヵ月先です。
その間にセカンドオピニオンを聞いておきたいと申し出て紹介状を書いてもらうことにしました。
トリモダリティは?
トリモダリティについてX病院泌尿器科の医師に聞いてみると、「あれは駄目です。治りません。合併症もあります。」とけんもほろろな回答でした。
でも、前回紹介した藤野さんの本でも勧められているし、腺友倶楽部の患者には評判が良さそうなんですがね、とは思いつつも、否定する理由や根拠をそれ以上聞ける雰囲気にはなく、気の弱い私はそのまま引き下がりました。
X病院泌尿器科の担当医はあまり愛想なく、やや感情的になるようなところがあり、細かい説明もしてくれないのですが、それにしてもそこまで否定するのは何か理由があるのかなあとも疑いたくなります。
重粒子線治療専門医のセカンドオピニオンを受ける
さてどこでセカンドオピニオンを受けるかですが、手術と重粒子線治療とトリモダリティの全てに精通している医師はいなさそうですし、それぞれの専門医に聞けば自分の担当する治療法が良いといわれそうな気がします。
結局冒頭に書いた疑問を解消するには重粒子線の専門医の話を聞いた方がよいだろうというように思いました。
X病院でも放射線科の予約はしていますが1ヵ月先ですし、重粒子線専門医の重鎮の方々がいるセカンドオピニオン外来を専門とするクリニックで話を聞くことにしました。
比較的早い日程で予約が取れ、X病院でもらった雑誌の記事を見せて冒頭の疑問をぶつけるとその記事は16回照射の少し古いデータで、現在は12回照射になっているということでした。
パソコンで最新の論文を見せてくれながら治療成績については手術と同等、晩期の合併症の血便や血尿について重度になることはかなり少ないという説明を受けました。
ちなみに、このクリニックでは重粒子線を行っていない病院で診断を受けた患者がセカンドオピニオンを聞きに来るということが多いようで、重粒子線治療病院から来るのは珍しいといっていました。
私もX病院でもっと早く放射線科の話が聞ければわざわざ来る必要もなかったのかも知れません。
でも、この時点で自分の中では重粒子線治療を受けることで概ね意志が固まったので、受けてよかったと思っています。
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