
病院の資料を確認
もう一つの選択肢である放射線治療についてもまずはX病院からもらったプリントを確認します。
- 体の外から前立腺に放射線を当てる治療でIMRTという治療と重粒子線治療がある
- しばらくホルモン療法でがんを小さくしてから照射を行う
- IMRTの場合、約2ヶ月の通院治療
- 重粒子線治療の場合、約3週間の通院治療
- 合併症として、放射線が周囲の臓器にも当たるため、膀胱炎や直腸炎が起こる
- 副作用の多くは軽度で病状によっては手術とほぼ同等の治療成績が得られる
- 重粒子線治療はIMRTより高い効果と少ない合併症が期待できる
- 2018年4月から重粒子線治療は保険適用対象となった
- 放射線治療を受けた後に再発した場合、その後に手術を受けることはできない
ん~、この説明を読む限りIMRTを選択するメリットはないような気がしますねえ。
また、体の外から放射線を当てる外照射療法とは別に小線源治療というのがあると書いてあり、
- おとなしいがんが前立腺の一部にとどまっている場合は有効
- 初期のがんであれば手術と同等の成績が得られ、合併症も少ない
- 頻尿や排尿痛がしばらく出ることがある
- 当院では導入していないので、希望する場合は他の病院を紹介する
と書いてあります。
ということは、私の場合はグリソンスコア8の高リスクなので小線源治療は対象外ということなのでしょうか。
さらに、医師からは口頭で以下の説明がありました。
- 放射線治療の場合は二次発がんとして膀胱がんや直腸がんになる可能性がある
- 私のような高リスク分類の場合、10年後の非再発率は手術が7割程度、重粒子線治療が6割程度である
- 重粒子線治療については新しい治療法なので10年以上のデータはない
プリントには、「ほぼ同等の治療成績」って書いてあるのに、医師の説明では手術の方が再発率が低いということで、ちょっと混乱してしまいます。
どんな治療法なの?
病院のプリントには、そもそもIMRTも重粒子線治療についても詳しい説明はないのでネットや書籍で調べていくと
IMRT:強度変調放射線治療
X線を用いた放射線治療で、放射線にはがん細胞の遺伝子を破壊する働きがあり、がんが増殖できなくなって死滅させるということで、「強度変調」の名のとおり、X線の強度を変えることで前立腺の周辺の膀胱や直腸にあまり大きな線量が照射されないように制御できるんだそうです。
重粒子線治療
X線ではなくより質量が重い炭素線を用いた治療法で、X線が体の表面に当たっときにエネルギーが大きく内部に行くにしたがって弱くなっていくのに対し、重粒子線は体の内部の前立腺の部分でエネルギーが最大になる「ブラッグピーク」という性質があり、IMRTよりもさらに周辺の臓器への影響が軽減できるということです。
出展:九州国際重粒子線がん治療センターHP
2018年までは先端医療の扱いだったということでまだ全国に6か所しか治療施設がありません。(陽子線治療を含む粒子線治療施設だと23施設)
重粒子線施設は群馬、千葉、神奈川、大阪、兵庫、佐賀...あれっ、東京はないんですね。
ということは、治療始められるまでにかなり待たされるのでしょうか?
悩みは続く
IMRTに比べ、重粒子線治療は3週間と治療期間も短く、周辺臓器への影響も少ないとなればやっぱり重粒子線を選択しない理由はないけど、
医師の説明では重粒子線の10年再発率が4割に対して、手術の再発率は3割ということなので、治療成績からは手術の方が良いということになるし、
でも手術の場合は5%ぐらいは日常生活に支障がある尿漏れがあるというし、
重粒子線は合併症の二次発がんというのも怖いなあ、
とりあえず放射線治療受けて再発したら手術っていうわけにはいかないのかあ、
ということで、悶々としながらさらに情報収集は続きます。
※本ブログは医学の専門家ではない一患者の治療記録です。可能な限り正確な情報を記載するよう努めていますが、必ずしも正確性や安全性を保証するものではありません。当サイトをご利用することで発生したトラブルに関しては一切の責任を負いかねますのでご了承ください。